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HPVワクチンの基礎知識|効果・副反応・接種すべき年齢
婦人科の病気

HPVワクチンの基礎知識|効果・副反応・接種すべき年齢

HPVワクチンって打つべき?2価・4価・9価の違いや対象年齢、副反応について、分かりやすく解説します。

約6分で読めます
#HPVワクチン #子宮頸がん #予防接種 #婦人科
📑 目次

「HPVワクチン、無料で打てるようになったけど、正直どうなんだろう…?」

そう思っている人、意外と多いんじゃないでしょうか。積極的な接種勧奨が再開されて、中学生の娘さんがいる友人からも「打たせるべきか迷ってる」って相談されることが増えました。

ワクチンって聞くだけで不安になる気持ち、分かります。でも、子宮頸がんは年間約1万人が診断されて、約3,000人が亡くなっている病気。しかも20代〜30代の若い世代に増えているんです。

この記事では、HPVワクチンの基本的な知識をできるだけ分かりやすくまとめました。迷っている人の判断材料になれば嬉しいです。

HPVって、そもそも何?

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、性的接触で感染するウイルスです。

「性感染症」って聞くと身構えちゃうかもしれませんが、実は性経験のある女性の約80%が一生に一度は感染すると言われています。それくらいありふれたウイルス。

ほとんどの場合、免疫の力で自然に排除されます。でも、感染が続くと一部の人は子宮頸がんや尖圭コンジローマなどを発症することがあります。

HPVには100種類以上のタイプがあって、そのうち約15種類が「高リスク型」と呼ばれる、がんを引き起こす可能性のあるタイプ。特に16型と18型は、子宮頸がんの約70%の原因になっています。

ワクチンは3種類ある(2価・4価・9価)

日本で承認されているHPVワクチンは3種類。それぞれ防げるHPVの型が違います。

HPV16型・18型を予防。子宮頸がんの原因の約70%をカバーします。

HPV16型・18型に加えて、6型・11型も予防。6型と11型は尖圭コンジローマの原因になるタイプです。子宮頸がん予防効果は2価と同じ。

HPV16型・18型・6型・11型・31型・33型・45型・52型・58型を予防。子宮頸がんの原因の約90%をカバーします。

2023年4月から、定期接種で9価ワクチンが選べるようになりました。個人的には、より多くの型を防げる9価がいいんじゃないかと思っています。ただ、どのワクチンも子宮頸がんの主要な原因である16型・18型はカバーしているので、「2価や4価を打ったから意味なかった」なんてことはありません。

接種できる年齢と回数

定期接種(無料)の対象

が定期接種の対象です。

接種回数は、開始年齢によって変わります:

  • 2回接種(9価ワクチンのみ)
  • 3回接種

2回で済むなら、中学生のうちに打ち始めるのがいいかもしれませんね。

キャッチアップ接種

2022年4月から、過去に接種機会を逃した世代に向けて「キャッチアップ接種」が始まりました。

(誕生日が1997年4月2日〜2008年4月1日)が対象で、2025年3月末まで無料で接種できます。

「もう30代近いし、今さら…」と思うかもしれませんが、未感染の型に対してはワクチンの効果が期待できます。性経験があっても、すべての型に感染しているわけではないので、接種する意味はあります。

ちなみに、海外では男性への接種も推奨されている国が多いです。日本でも任意接種(自費)なら男性も打てます。

ワクチンの効果はどれくらい?

海外の大規模調査では、HPVワクチンを接種した人は、子宮頸がんになるリスクが約90%減少したというデータがあります。

ただし、ワクチンはすべてのHPV型を防げるわけではありません。9価でもカバー率は約90%。だから、ワクチンを打っても子宮頸がん検診は必要です。

「ワクチン接種+定期的な検診」のセットで、子宮頸がんはかなり予防できる病気になっています。

ワクチンの効果は長期間続くと考えられていますが、まだ「一生持続する」とは言い切れません。今後もデータが積み重ねられていくところです。

副反応が心配…実際どうなの?

ワクチンで一番心配なのが、副反応ですよね。

  • 注射した部位の痛み、腫れ、赤み(約80%)
  • 軽い発熱、頭痛、倦怠感(約10〜30%)

これらは数日で治まることがほとんど。注射部位の痛みは、筋肉注射なのでインフルエンザワクチンより痛いと感じる人が多いです。

まれにアナフィラキシー(重いアレルギー反応)が起こることがあります。頻度は約100万接種に1回程度。接種後15〜30分は医療機関で待機するので、万が一の際もすぐに対応してもらえます。

以前、「接種後に歩けなくなった」「記憶障害が出た」といった報道があって、日本では2013年から積極的勧奨が中止されていました。その後の大規模調査で、こうした症状とワクチンの因果関係は科学的に証明されなかったことから、2022年に勧奨が再開されています。

ただ、不安な気持ちは消えないかもしれません。接種を検討する時は、かかりつけ医や婦人科で相談して、納得してから決めるのが一番です。

接種のタイミング、いつがいい?

HPVワクチンは、性交渉を始める前に接種するのが最も効果的。だから中学生のうちに打つのが理想的なんです。

でも、性経験があってもワクチンの意味はあります。すべての型に感染しているわけじゃないので、未感染の型に対しては予防効果が期待できます。

キャッチアップ対象の人は、2025年3月末までが無料接種のリミット。迷っているなら、婦人科で相談してみてください。自費だと1回約2〜3万円×3回で、けっこうな負担になってしまうので。


HPVワクチンは、打つ・打たないを決めるのは本人(またはお子さんと保護者)です。

正直、100%安全で100%効くワクチンなんてありません。でも、子宮頸がんで苦しむ人を減らせる可能性があるのも事実。

迷っているなら、まずは正しい情報を知って、信頼できる医療機関で相談してみてください。納得して決めることが、何より大切だと思います。


参考文献

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よくある質問

Q. HPVワクチンは何歳まで接種できる?
定期接種(無料)は小学6年〜高校1年相当の女性。キャッチアップ接種や自費なら成人女性も接種可能です。
Q. 9価ワクチンと2価・4価の違いは?
9価は子宮頸がんの原因の約90%をカバー。2価・4価は約70%。いずれも主要な16型・18型は予防できます。
Q. HPVワクチンの副反応にはどんなものがある?
接種部位の痛みや腫れが最も多い症状です。重篤な副反応の頻度は極めて低いとされています。
白滝由紀

この記事を書いた人

白滝由紀

フェムケア研究所 編集長

🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー

フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!

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