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間質性膀胱炎とは?繰り返す膀胱の痛みと向き合う
婦人科の病気

間質性膀胱炎とは?繰り返す膀胱の痛みと向き合う

何度も繰り返す膀胱の痛みや頻尿。細菌感染がないのに膀胱炎のような症状が続くなら、間質性膀胱炎かもしれません。原因不明だからこそ知っておきたい、診断から治療、日常での付き合い方までを詳しく解説します。

約8分で読めます
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📑 目次

「またトイレ…?」って思うぐらい頻繁にトイレに行きたくなる。下腹部がずっと重苦しい。膀胱炎だと思って病院に行ったのに、「細菌は出ていないですね」って言われて抗生物質も効かない。

そんな症状に悩んでいるなら、間質性膀胱炎という病気かもしれません。まだまだ知られていない病気ですが、実は女性に多く、QOL(生活の質)を大きく下げてしまう可能性がある病気です。

間質性膀胱炎ってどんな病気?

間質性膀胱炎(IC:Interstitial Cystitis)は、膀胱の粘膜より深い層、「間質」と呼ばれる部分に慢性的な炎症が起こる病気です。細菌感染による一般的な膀胱炎とは全く異なるメカニズムで症状が出ます。

厄介なのは、原因がはっきりしていないこと。自己免疫的な反応や、膀胱の粘膜バリア機能の低下など、いくつかの仮説はありますが、まだ完全には解明されていません。だからこそ、診断にも治療にも時間がかかることが多いんです。

男性にも発症しますが、圧倒的に女性、特に40〜50代に多い傾向があります。ただ、若い人でもなる可能性はあります。

どんな症状が出るの?

間質性膀胱炎の主な症状は3つ。

頻尿・尿意切迫感
トイレが近くなります。人によっては1日に20回、30回とトイレに行くケースも。夜中も何度も目が覚めてしまい、睡眠不足に。「膀胱がいっぱいじゃないのに、行きたくなる」感覚が特徴的です。

膀胱や下腹部の痛み
下腹部に鈍い痛み、圧迫感、ひりひりする感じなど、痛みの種類は人それぞれ。膀胱に尿が溜まると痛みが強くなり、排尿すると少し楽になる、というパターンが多いです。

骨盤まわりの違和感
膀胱だけでなく、骨盤全体に痛みや違和感を感じることも。性交痛として現れることもあります。

症状の程度は波があって、調子がいい時期と悪化する時期が繰り返すことが多い。ストレスや生理周期、食事内容で悪化することもあります。

普通の膀胱炎とどう違うの?

ここ、すごく大事なポイント。

細菌感染の有無
通常の膀胱炎は、大腸菌などの細菌が膀胱に入り込んで炎症を起こす感染症。だから尿検査で細菌が検出されるし、抗生物質が効きます。

一方、間質性膀胱炎は細菌感染がありません。尿検査をしても細菌は検出されず、抗生物質を飲んでも効果がない。これが診断の重要な手がかりになります。

症状の続き方
急性膀胱炎は、適切な治療をすれば数日〜1週間程度で治ります。でも間質性膀胱炎は慢性的。数ヶ月、数年と症状が続きます。

痛みの出方
急性膀胱炎は排尿時の痛み(排尿痛)が特徴的。間質性膀胱炎は、尿が溜まっている時の痛みや圧迫感が中心で、排尿すると少し楽になるという違いがあります。

「膀胱炎が治らない」と思って何度も病院に通っているなら、一度、間質性膀胱炎の可能性を考えてみる価値があるかもしれません。

どうやって診断されるの?

正直、診断が難しい病気です。「これがあれば確定」という検査がないから、他の病気を除外しながら総合的に判断します。

問診
まず、症状の経過を詳しく聞かれます。いつから、どんな時に悪化するか、抗生物質の効果はあったかなど。

尿検査・尿培養
細菌感染や血尿、その他の異常がないかをチェック。間質性膀胱炎では細菌が検出されないことが重要なポイントです。

膀胱鏡検査
膀胱の容量や、粘膜の状態を確認します。間質性膀胱炎では、膀胱が小さくなっていたり、粘膜に特徴的な出血斑(ハンナ型病変)や小さな傷が見られることがあります。

ただし、この検査は侵襲的(体への負担がある)なので、すべての人にすぐ行うわけではありません。症状が重い場合や、他の治療が効かない場合に検討されます。

カリウム感受性検査
膀胱にカリウム溶液を入れて、痛みが誘発されるかを見る検査。以前は診断によく使われましたが、最近は痛みを伴うため、あまり行われなくなっています。

診断までに時間がかかることも多く、複数の病院を回ったという人も少なくありません。泌尿器科、特に間質性膀胱炎の診療経験がある医師を探すのがおすすめです。

治療法は?

残念ながら「これで完治!」という治療法はまだありません。でも、症状を和らげて、日常生活を送りやすくする方法はいくつかあります。

生活習慣・食事の見直し

まずはここから。症状を悪化させる要因を避けるだけで、かなり楽になる人もいます(詳しくは後述)。

薬物療法

ヘパリンやヒアルロン酸の膀胱内注入
膀胱の粘膜バリアを修復する薬を、直接膀胱に注入する治療。定期的に通院が必要ですが、効果を感じる人は多いです。

抗ヒスタミン薬
炎症を抑える目的で使われます。

三環系抗うつ薬
痛みの感覚を和らげる効果があります。「うつ病じゃないのに抗うつ薬?」と思うかもしれませんが、慢性疼痛の治療では一般的な方法です。

鎮痛薬
痛みがひどい時の対症療法として。

膀胱水圧拡張術

麻酔下で膀胱に水を入れて引き伸ばす治療。一時的に症状が改善することがありますが、効果の持続期間には個人差があります。

ボツリヌス毒素療法

膀胱にボツリヌス毒素を注射して、筋肉の緊張を和らげる方法。新しい治療法で、まだ保険適用外のケースもあります。

治療は試行錯誤になることが多いです。「この薬が効く」という保証がないから、一つずつ試して自分に合うものを見つけていく必要があります。焦らず、医師と相談しながら進めていくことが大切。

食事で気をつけることは?

間質性膀胱炎の症状は、食事の内容で悪化することがあります。すべての人に当てはまるわけじゃないけれど、多くの患者さんが「避けた方が楽」と感じているものがあります。

カフェイン
コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなど。膀胱を刺激するので、症状が悪化しやすい。

アルコール
特にビールやワインは要注意。

酸味の強い食品
柑橘類(オレンジ、グレープフルーツ、レモン)、トマト、酢の物など。膀胱粘膜を刺激します。

辛いもの
唐辛子、スパイスの効いた料理。

人工甘味料
アスパルテームなど。ゼロカロリー飲料に含まれていることが多いです。

その他の刺激物
チョコレート、炭酸飲料、チーズ(熟成したもの)なども人によっては悪化要因に。

逆に、水をしっかり飲むことは大切。「トイレが近いから水分を控える」という人もいますが、尿が濃くなると膀胱への刺激が増すので、適度な水分補給は必要です。

まずは2週間ぐらい、上記の食品を避けてみて、自分の体で確認するのがおすすめ。食事日記をつけると、何が悪化要因かが見えてきます。

日常生活で工夫できること

症状と上手に付き合っていくために、生活の中でできることもあります。

ストレスケア
ストレスで症状が悪化する人は多いです。完全にストレスフリーは無理だけど、リラックスできる時間を意識的に作る。深呼吸、ヨガ、散歩など、自分なりのリラックス法を見つけると少し楽になります。

骨盤底筋をゆるめる
骨盤底筋が緊張しすぎていると、症状が悪化することも。無理に力を入れず、緩める意識を持つことが大事。理学療法士による骨盤底筋リハビリを受けられる施設もあります。

下腹部を温める
下腹部を温めると痛みが和らぐことがあります。カイロや湯たんぽを活用してみて。

排尿を我慢しすぎない
「頻尿だから我慢しなきゃ」と思うかもしれませんが、我慢しすぎると膀胱への負担が増します。行きたい時は無理せず行く方が、結果的に症状が落ち着きやすいです。


間質性膀胱炎は、まだまだ理解されにくい病気。周りに「またトイレ?」って言われたり、「気のせいじゃない?」って思われたりすることもあるかもしれません。でも、症状は本物だし、あなたのせいでもありません。

原因不明で治療も手探りだから、不安になることもあると思います。でも、自分に合った治療法や生活スタイルを見つけることで、症状をコントロールしながら生活している人はたくさんいます。

気になる症状があるなら、まずは泌尿器科(できれば間質性膀胱炎の診療実績がある病院)を受診してみてください。診断がつくまで時間がかかるかもしれないけれど、原因がわかるだけでも気持ちは楽になります。


参考文献

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よくある質問

Q. 間質性膀胱炎と普通の膀胱炎の違いは?
普通の膀胱炎は細菌感染が原因で抗生物質が効きますが、間質性膀胱炎は細菌がなく抗生物質が効きません。
Q. 間質性膀胱炎はどの年代に多い?
40〜50代の女性に多い傾向がありますが、若い世代でも発症する可能性があります。
Q. 間質性膀胱炎は完治するの?
完治は難しいですが、食事・生活改善や膀胱水圧拡張術などで症状をコントロールし付き合っていくことが可能です。
白滝由紀

この記事を書いた人

白滝由紀

フェムケア研究所 編集長

🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー

フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!

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