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体外受精(IVF)の流れ|費用・スケジュール・心の準備
妊活

体外受精(IVF)の流れ|費用・スケジュール・心の準備

体外受精を検討している方へ。治療の基本的な流れ、費用相場、保険適用、実際のスケジュール感、そして心の準備について、わかりやすく解説します。

約6分で読めます
#体外受精 #IVF #不妊治療
📑 目次

「体外受精、考えてみようかな…」

そう思ったとき、頭の中にいろんな疑問が浮かんでくる。どんな治療なのか、いくらかかるのか、どれくらい時間がかかるのか。そして何より、自分は精神的に耐えられるだろうか。

わたしの周りにも体外受精を経験した友人が何人かいるけど、みんな「もっと早く詳しく知っておけばよかった」って言う。治療を始めてから「こんなはずじゃなかった」と感じないために、基本的な流れと現実的な費用感、スケジュール、そして心の準備について、できるだけわかりやすくまとめてみます。

体外受精(IVF)って、具体的に何をするの?

体外受精は、その名の通り「体の外で受精させる」治療。卵子と精子を取り出して、培養皿の中で受精させ、育った受精卵(胚)を子宮に戻す方法です。

大まかな流れはこんな感じ:

卵巣を刺激して、複数の卵子を育てる。自己注射や通院での注射が必要になることが多い。期間は10〜14日くらい。

育った卵子を、超音波ガイド下で針を使って採取する。麻酔をかけるので、痛みはほとんどない(個人差あり)。日帰りでできるけど、当日は安静に。

採取した卵子と精子を受精させる。受精卵は3〜5日間、培養器の中で育てられる。この間、どれくらい順調に育っているかを確認。

育った胚を、細いカテーテルで子宮に戻す。痛みはほぼないけど、緊張する瞬間。

移植から約2週間後、妊娠判定。この2週間が、精神的にいちばんきつい。

全体で1サイクル約1〜2ヶ月。ただし、体の状態や治療方針によって変わります。

費用相場と保険適用について

ここ、みんながいちばん気になるところ。

保険適用後の費用感

2022年4月から、体外受精にも保険が適用されるようになりました。ただし条件があって、治療開始時の女性の年齢が43歳未満であることなど、いくつかの制限がある。

保険適用の場合、自己負担は3割。1回あたりの費用相場はこんな感じ:

  • 約10〜20万円(3割負担)
  • 約3〜5万円(3割負担)

ただし、使う薬の種類や検査内容によって変動します。

保険適用外の場合

保険適用の条件を満たさない場合や、自由診療のオプション治療を希望する場合は、全額自己負担。1回30〜80万円くらいになることも。

クリニックによっても金額差があるので、事前にしっかり確認しておくのがおすすめ。初診時に料金表をもらえることが多いです。

助成金制度

自治体によっては、独自の助成金制度を設けているところも。お住まいの自治体のホームページをチェックしてみて。

スケジュール感:実際どれくらい時間がかかる?

治療のスケジュールは、人によってかなり違う。

1サイクルの流れ

月経開始日を1日目として、排卵誘発開始→採卵→移植→判定までが約1〜2ヶ月。

ただし、採卵した胚を一度凍結して、次の周期以降に移植する「凍結胚移植」を選ぶこともある。この場合、採卵周期と移植周期が分かれるので、2〜3ヶ月かかることも。

通院頻度

排卵誘発中は、卵胞の育ち具合をチェックするために2〜3日おきに通院することが多い。仕事をしながらだと、スケジュール調整がけっこう大変。

採卵前後や移植前後は、とくに体調管理や通院の頻度が増えるので、可能であれば仕事のペースを調整できるといいかも。

何回で成功する?

これは本当に個人差が大きい。1回で妊娠する人もいれば、何度もチャレンジする人もいる。年齢や体の状態、胚の質によって、妊娠率は変わります。

「何回まで」と最初から決めておくのもひとつの方法。精神的にも経済的にも、どこまで続けるかのラインを夫婦で話し合っておくと、少し気持ちが楽になるかもしれない。

精神的な備え:心をどう整えるか

正直、体外受精はメンタルにくる。

治療中のストレス

自己注射、通院の多さ、ホルモン剤の副作用、採卵後の腹痛…身体的な負担もあるけど、それ以上に精神的な負担が大きい。

特に、判定日までの2週間。期待と不安が入り混じって、そわそわして落ち着かない。「妊娠してるかも」と期待しては「やっぱりダメかも」と不安になる。この繰り返し。

パートナーとのコミュニケーション

体外受精は、どうしても女性側の身体的負担が大きい。パートナーが「頑張ってるね」って言ってくれても、なんだかモヤモヤすることもある。

大事なのは、お互いの気持ちを話すこと。「今、こんなふうに感じてる」「こういうサポートがほしい」って、正直に伝える。

逆に、パートナーも不安やプレッシャーを感じているかもしれない。二人で抱え込まず、必要なら専門家(カウンセラーや不妊治療の患者会など)を頼るのもあり。

仕事との両立

通院が多いので、仕事との両立に悩む人も多い。上司や同僚にどこまで伝えるかは、職場の雰囲気次第。

最近は不妊治療への理解が進んでいる企業も増えてきたけど、まだまだ言いづらい環境もある。無理せず、必要なら休暇制度や時短勤務を活用して。

結果が出なかったとき

これがいちばんつらい。

1回目でうまくいかなくても、「次があるから」と前を向ける人もいれば、深く落ち込んでしばらく立ち直れない人もいる。どちらも正常な反応。

結果が出なかったときの気持ちの逃がし方を、自分なりに見つけておくといいかもしれない。好きなことをする、信頼できる人に話す、少し治療を休む…自分を責めないことが大切。

治療を始める前に考えておきたいこと

体外受精を始める前に、パートナーと話し合っておきたいこと:

  • 費用の上限をどこまでにするか
  • 何回まで続けるか(回数や期間)
  • 仕事との両立をどうするか
  • 周囲(親や友人)にどこまで伝えるか
  • 結果が出なかったときの選択肢(養子縁組、子どものいない人生など)

全部を最初から決める必要はないけど、「なんとなく」で始めると、途中で迷いやすい。方向性を共有しておくだけでも、気持ちの支えになります。


体外受精は、決して楽な道じゃない。でも、多くの人がこの治療を経て、赤ちゃんを迎えている。

治療を受けるかどうか、続けるかやめるか。正解はなくて、自分たちにとっての「納得できる選択」を探していくプロセスなんだと思う。

情報を集めて、医師と相談して、パートナーと話し合って。焦らず、自分のペースで決めていってくださいね。


参考文献

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よくある質問

Q. 体外受精1回あたりの治療期間はどれくらい?
採卵から胚移植、妊娠判定まで約1〜2ヶ月が1サイクル。体の状態や治療方針で変動します。
Q. 採卵は痛い?
麻酔下で行うため痛みはほとんどありません。個人差はありますが日帰りで受けられ、当日は安静にします。
Q. 体外受精は保険適用で何回まで受けられる?
43歳未満が条件で、40歳未満は通算6回、40〜42歳は通算3回まで保険適用の胚移植が可能です。
白滝由紀

この記事を書いた人

白滝由紀

フェムケア研究所 編集長

🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー

フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!

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