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更年期と骨密度|骨粗しょう症を防ぐために今できること
ホルモン・更年期

更年期と骨密度|骨粗しょう症を防ぐために今できること

更年期以降に急激に低下する骨密度。エストロゲンと骨の関係、骨密度検査の受け方、食事・運動・治療による骨粗しょう症予防法をわかりやすく解説します。

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📑 目次

「骨粗しょう症って、おばあちゃんの病気でしょ?」

わたしも30代前半まではそう思ってた。でも骨密度が急激に下がり始めるのは閉経前後の40代後半〜50代。しかも骨折するまで自覚症状がほとんどない。日本の50歳以上の女性の3人に1人が骨粗しょう症またはその予備軍と言われていて、「自分はまだ大丈夫」ではなく「今から備える」が正解なんです。

エストロゲンと骨の深い関係

骨は毎日少しずつ壊されて新しく作り直されています(骨のリモデリング)。破骨細胞が古い骨を壊し、骨芽細胞が新しい骨を作る。このバランスを調整しているのがエストロゲン。

エストロゲンには破骨細胞の働きを抑えるブレーキ役があります。閉経でエストロゲンが激減するとブレーキが外れ、骨がどんどん壊される。閉経後の5〜10年間で骨密度が年間2〜3%減少する人もいて、10年で20〜30%減ることも。

骨密度検査を受けよう

DXA法(デキサ法) が最も正確で、腰椎と大腿骨で測定します。整形外科や一部の婦人科で受けられる。自治体の健診で無料のことも多いので確認してみて。

結果はYAM値(若年成人平均値)で評価。80%以上が正常、70〜80%が骨量減少、70%未満が骨粗しょう症。閉経前後に一度は受けておくのがおすすめです。検査自体は横になるだけで痛みもなく、10分程度で終わるから身構えなくて大丈夫。

食事でできる骨密度対策

カルシウム(1日650mg目標)

牛乳コップ1杯で約220mg、木綿豆腐半丁で約180mg、小松菜1/2束で約170mg。3食に分散させると吸収効率が良い。

ビタミンD

カルシウムの吸収に不可欠。鮭・さんま・干ししいたけ・卵黄に豊富。日光浴(1日15〜20分)で皮膚からも合成される。

ビタミンK

カルシウムを骨に定着させる。納豆1パックで1日分を十分カバー。ブロッコリーやほうれん草にも含まれる。

運動で骨を強くする

骨は「負荷がかかると強くなる」性質がある。重力がかかる運動がおすすめ。

  • ウォーキング: 1日30分、週3〜4回
  • スクワット: 大腿骨を強くする
  • かかと落とし: 立った状態でかかとを上げてストンと落とす。1日30回
  • 階段の上り下り: 日常に取り入れやすい

水泳やヨガは身体にはいいけど骨への刺激は少ない。週2〜3回の筋トレとの組み合わせで効果アップ。

運動の習慣がない人は、まずは毎日の買い物を徒歩に切り替えるところから始めてみて。エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど、日常動作に負荷を足すだけでも骨には刺激が入ります。

薬物治療という選択肢

骨密度が大幅に低下している場合や骨折歴がある場合は、薬物治療も検討を。

  • ビスホスホネート製剤: 骨の破壊を抑える第一選択薬
  • SERM: 骨に対してエストロゲン様の作用を発揮
  • HRT(ホルモン補充療法): エストロゲン補充で骨密度低下を防ぐ

どの薬が適しているかは個人差があるので、整形外科や婦人科で相談してください。

避けたい「骨に悪い習慣」

骨を強くする習慣と同じくらい、骨を弱くする習慣を知っておくのも大事。

  • 喫煙 — エストロゲンの分解を早め、カルシウムの吸収率を下げる。閉経を早める要因にもなるため、骨にとっては二重のダメージ
  • 過度なアルコール — 骨芽細胞の働きを抑制して、骨の形成が追いつかなくなる。1日1杯程度なら影響は小さいとされている
  • 極端なダイエット — 若い頃の過度な食事制限でピーク骨量(20代後半に達する最大骨密度)が低いまま閉経を迎えると、骨粗しょう症のリスクが高まる
  • 塩分の摂りすぎ — ナトリウムが多いとカルシウムが尿中に排出されやすくなる

心当たりがあるものから、ひとつずつ減らしていくだけでも効果はあります。

今日からできること

骨密度対策は早く始めるほど効果的。まずは骨密度検査を予約する、毎日の食事にカルシウム食品を1品足す、歩く習慣をつける。「老後に寝たきりにならない」ための骨貯金を、今からコツコツ始めましょう。

家族に骨粗しょう症や大腿骨骨折の経験がある人、やせ型で食が細い人、若い頃に無月経や極端なダイエットを経験した人は、特に早めの対策が向いています。「まだ痛くないから大丈夫」ではなく、リスクが高い人ほど症状がないうちに測っておくのが大事。婦人科の更年期相談と一緒に骨の話も出してみると、次の動きが決めやすくなります。


参考文献


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よくある質問

Q. 骨密度検査はいつ受けるべき?
閉経前後の45〜55歳で一度は受けておくのがおすすめです。自治体の健康診断で受けられることも多いので、確認してみてください。
Q. 骨密度は一度下がったら元に戻らない?
適切な運動、食事、必要に応じた薬物治療で、骨密度の低下を止めたり、ある程度回復させることは可能です。早めの対策が重要です。
Q. カルシウムのサプリだけ飲めばいい?
カルシウムだけでは不十分です。吸収にはビタミンDが、骨への定着にはビタミンKも必要。バランスの良い食事と日光浴を組み合わせましょう。
白滝由紀

この記事を書いた人

白滝由紀

フェムケア研究所 編集長

🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー

フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!

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