卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)とは?症状・検査・治療の選択肢
健康診断で「卵巣嚢腫」と言われて不安になっていませんか?種類・症状・検査方法から、経過観察と手術の判断基準まで、わかりやすく解説します。
📑 目次
「卵巣嚢腫が見つかりました」
健康診断でそう言われて、頭が真っ白になった経験はありませんか?わたしの友人も数年前、エコー検査でたまたま見つかって「腫瘍って…がんってこと!?」とパニックになっていました。
でも実は、卵巣嚢腫の多くは良性。そしてすぐに手術が必要とも限りません。大切なのは、正しく理解して、自分の状態を把握すること。今回は卵巣嚢腫の基本から、どんな検査をするのか、経過観察と手術の判断ラインまでまとめました。
卵巣嚢腫って、そもそも何?
卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)は、卵巣に液体や脂肪などが溜まって袋状に腫れた状態のこと。卵巣は親指くらいの大きさですが、嚢腫ができると数センチ〜10センチ以上になることも。
「腫瘍」という言葉にドキッとするかもしれませんが、卵巣嚢腫の多くは良性です。ただし、放っておくと大きくなったり、ねじれて激痛を引き起こしたりするケースもあるので、定期的なチェックは必須。
卵巣嚢腫にはどんな種類がある?
卵巣嚢腫は、中に何が溜まっているかで種類が変わります。代表的なのは以下の3つ。
1. 漿液性嚢胞腺腫(しょうえきせいのうほうせんしゅ)
卵巣の表面を覆う細胞から発生し、サラサラした液体が溜まるタイプ。比較的多く見られます。
2. 粘液性嚢胞腺腫(ねんえきせいのうほうせんしゅ)
ゼリー状の粘液が溜まるタイプ。大きくなりやすいのが特徴で、10センチを超えることも珍しくありません。
3. 皮様嚢腫(ひようのうしゅ)/成熟奇形腫
別名「類皮嚢胞(るいひのうほう)」とも呼ばれます。髪の毛や脂肪、骨、歯などが含まれることがあり、初めて聞くと驚くかもしれません。若い世代に多いタイプです。
他にも、子宮内膜症によってできる「チョコレート嚢胞」や、排卵後に一時的にできる「機能性嚢胞」などがあります。機能性嚢胞は数ヶ月で自然に消えることが多いので、すぐに手術とはなりません。
自覚症状はあるの?
小さい卵巣嚢腫は、ほとんど症状がありません。健康診断や婦人科検診でたまたま見つかるケースが大半。
ただし、嚢腫が大きくなると以下のような症状が出ることがあります。
- 下腹部の張り、圧迫感
- 腰痛
- トイレが近くなる(膀胱が圧迫されるため)
- お腹が出てきた(5センチ以上になると)
- 生理痛がひどくなった
そして一番怖いのが、「卵巣嚢腫茎捻転(けいねんてん)」。卵巣がねじれて血流が止まる状態で、突然の激しい腹痛・吐き気・冷や汗が出ます。これは緊急手術が必要なので、激痛が出たらすぐに救急外来へ。
どんな検査をするの?
卵巣嚢腫が疑われたら、まず婦人科でこんな検査をします。
超音波検査(エコー)
お腹の上から、または膣から器具を入れて卵巣を映す検査。嚢腫の大きさ、形、中身の状態を確認できます。痛みはほぼありません。
MRI検査
超音波検査だけでは詳しく判断できない場合に行います。嚢腫の中身や周囲の組織との関係まで、より詳細に見られる検査。
腫瘍マーカー(血液検査)
CA125やCA19-9など、腫瘍の性質を調べる血液検査。良性か悪性かを判断する材料のひとつになります。ただし、子宮内膜症や生理中でも数値が上がることがあるので、これだけで確定診断するわけではありません。
経過観察 or 手術、どう決まる?
「卵巣嚢腫があります」と言われても、すぐに手術になるとは限りません。医師は以下のポイントを総合的に判断します。
経過観察になるケース
- 嚢腫のサイズが小さい(4〜5センチ以下)
- 悪性の可能性が低い
- 自覚症状がない
- 腫瘍マーカーが正常範囲
この場合、3〜6ヶ月ごとに超音波検査を受けながら、大きさや変化をチェックします。機能性嚢胞なら自然に消えることもあります。
手術を検討するケース
- 嚢腫が6センチ以上ある
- 急速に大きくなっている
- 腫瘍マーカーの値が高い
- 悪性の可能性が否定できない
- 痛みや圧迫症状がひどい
- 妊娠を希望している(嚢腫があると妊娠しにくくなることがある)
- 皮様嚢腫(茎捻転リスクが高いため)
特に、茎捻転を起こすと緊急手術になるので、大きめの嚢腫や茎の細い嚢腫は予防的に手術を勧められることもあります。
手術の方法
現在の主流は腹腔鏡手術。お腹に小さな穴を数カ所開けて、カメラと器具を入れて嚢腫を取り除きます。傷が小さく、回復も早いのが特徴。
嚢腫が大きい場合や悪性が疑われる場合は、開腹手術になることもあります。
手術では嚢腫だけを取り除く「嚢腫核出術」が基本ですが、卵巣全体を摘出する「卵巣摘出術」が必要なケースも。まだ妊娠を希望している場合は、できる限り卵巣を残す方向で検討されます。
日常生活で気をつけることは?
経過観察中だからといって、特別な制限はありません。ただし、以下の点には注意を。
- 定期検診を欠かさない: 変化を見逃さないために、指定された検診日は必ず受けましょう。
- 激しい運動は医師に相談する: 大きい嚢腫がある場合、激しいスポーツやねじれる動作は茎捻転のリスクがあります。
- 突然の激痛は救急受診: 強い腹痛や吐き気、冷や汗がある場合は、茎捻転の可能性があります。
あとは普段通りの生活で大丈夫。ストレスをためすぎず、睡眠と栄養をしっかりとることが、体全体の健康につながります。
「嚢腫がある」=「すぐ手術」じゃない
卵巣嚢腫と言われると、どうしても不安になりますよね。でも、多くは良性で、小さければ経過観察だけで済むケースも多いんです。
大切なのは、定期的に検査を受けること。そして、自分の体の変化に敏感になること。もし気になる症状があったり、検診結果に不安があったりしたら、遠慮せずに医師に質問してみてください。納得できるまで説明してもらうのは、あなたの権利です。
参考文献
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よくある質問
- Q. 卵巣嚢腫は良性ですか?がんの可能性は?
- 卵巣嚢腫の多くは良性です。超音波検査やMRI、腫瘍マーカーで良性・悪性を総合的に判断します。
- Q. 卵巣嚢腫はどんな症状が出ますか?
- 小さいうちは無症状で検診で発見されることが多く、大きくなると下腹部の張り、腰痛、頻尿などが現れます。
- Q. 卵巣嚢腫は手術が必要ですか?
- 4〜5cm以下で無症状なら経過観察が多いですが、6cm以上や急な増大、茎捻転のリスクがあれば手術を検討します。
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この記事を書いた人
白滝由紀フェムケア研究所 編集長
🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー
フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!


