骨盤内炎症性疾患(PID)とは?放置すると怖い理由と予防
下腹部痛や不正出血があっても「たぶん疲れてるだけ」と放置していませんか?骨盤内炎症性疾患(PID)は不妊の原因にもなる病気。早期発見のポイントを解説します。
📑 目次
「下腹部がなんとなく痛い」「おりものが増えた気がする」——そんな症状、生理前だからとか、ストレスのせいだと思って放置していませんか?
実はそれ、骨盤内炎症性疾患(PID)のサインかもしれません。
PIDは、放っておくと不妊症や慢性的な痛みにつながることもある病気。でも、症状が軽いと気づきにくいのが厄介なところです。今回は、PIDの原因から予防法まで、知っておきたいポイントをまとめました。
そもそもPIDって何?
骨盤内炎症性疾患(Pelvic Inflammatory Disease)は、子宮や卵管、卵巣など、骨盤内の臓器に細菌が入り込んで炎症を起こす病気です。
主に性感染症(STI)の原因菌が膣から子宮へ、さらに卵管へと上がっていくことで発症します。クラミジアや淋菌が代表的な原因菌ですが、それ以外の細菌でも起こることがあります。
どんな症状が出るの?
PIDの症状は、人によってかなり違います。ほとんど症状がない人もいれば、強い痛みで動けなくなる人も。
よくある症状はこんな感じ:
- 下腹部の痛み(片側だけのこともある)
- おりものの量が増える、色やにおいが変わる
- 不正出血がある
- 性交時に奥のほうが痛い
- 発熱(38度以上になることも)
- 排尿時の痛みや違和感
ただし、症状が軽いと「ちょっと調子悪いかな」程度で気づかないケースが多いんです。それが怖いところ。
なぜPIDになるの?原因は?
多くの場合、原因は性感染症です。
主な原因菌
- クラミジア・トラコマティス(最も多い)
- 淋菌(ナイセリア・ゴノレア)
- その他の細菌(大腸菌など)
クラミジアは症状が出にくいので、知らないうちに感染していて、気づいたときにはPIDになっているパターンもあります。
リスクが高くなる状況
- 性的パートナーが複数いる
- 過去にSTIに感染したことがある
- 25歳以下(統計的にリスク高め)
- 避妊具を使っていない
- 子宮内避妊器具(IUD)を入れた直後
ちなみに、IUD自体が悪いわけではなく、挿入時に細菌が入り込むリスクがあるというだけ。きちんとした医療機関で処置すれば、そこまで心配する必要はありません。
診断はどうやってするの?
婦人科では、問診と内診、検査を組み合わせて診断します。
- 内診: 子宮や卵巣を触って痛みや腫れをチェック
- 血液検査: 炎症反応(CRPや白血球数)を確認
- おりもの検査: 原因菌を特定
- 超音波検査: 卵管や卵巣の腫れを確認
- CTやMRI: 重症の場合に追加されることもある
「ちょっと痛いだけだし、病院に行くのは恥ずかしい」と思う気持ちはわかります。でも、PIDは早めに治療すれば完治できる病気です。悩んでいるうちに症状が進むより、早めに受診するのが正解。
治療方法は?
PIDの治療は、基本的に抗菌薬です。
軽症なら飲み薬で治療できますが、症状が重い場合や妊娠している場合は入院して点滴治療をすることもあります。治療期間は通常1〜2週間程度。
治療中の注意点
- パートナーも必要に応じて検査・治療を受ける(再感染を防ぐため)
- 治療中は性交渉を控える
- 処方された薬は最後まで飲み切る(症状が治まっても自己判断でやめない)
治療を途中でやめると、再発したり慢性化したりするリスクがあるので、医師の指示をしっかり守ってくださいね。
放置するとどうなる?
正直、PIDを放置するのはリスクが高すぎます。
- 卵管が癒着して、卵子が通れなくなる
- 卵管が詰まって、受精卵が子宮以外の場所に着床してしまう
- 治ったあとも痛みが続く
- 卵巣に膿がたまって、最悪の場合手術が必要
PIDを繰り返すほど、不妊のリスクも上がります。1回の感染で約10〜15%、2回で30%、3回以上だと50%以上が不妊になるというデータも。
「まだ子どもは考えてないから大丈夫」じゃなくて、将来のために今ケアすることが大事です。
予防するにはどうすればいい?
PIDを防ぐには、まず性感染症(STI)の検査と予防が基本。
できること
- コンドームを正しく使う(一番確実)
- 定期的にSTI検査を受ける
- パートナーにも検査を受けてもらう
- おりものの変化に気づいたら早めに受診する
あと、デリケートゾーンの洗いすぎにも注意。膣内の自浄作用が弱まると、かえって細菌が繁殖しやすくなります。専用のソープで優しく洗うくらいがちょうどいい。
まとめ:違和感があったら、すぐ婦人科へ
PIDは、早めに見つけて治療すれば怖くない病気です。でも、放置すると取り返しのつかないことになる可能性もある。
「ちょっと痛いだけ」「おりものが増えただけ」と軽く見ずに、少しでも違和感があったら婦人科を受診してください。パートナーと一緒に検査を受けるのも、お互いのためです。
自分の体は、自分で守る。それが、将来の自分への一番の投資だと思います。
📖 このテーマの全体ガイド: 婦人科受診完全ガイド
参考文献
- 日本産科婦人科学会・日本性感染症学会「性感染症診断・治療ガイドライン 2022」
- 厚生労働省「性感染症報告数」(最新版)
- CDC「Pelvic Inflammatory Disease (PID)—CDC Detailed Fact Sheet」
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よくある質問
- Q. 骨盤内炎症性疾患(PID)とはどのような病気ですか?
- 子宮・卵管・卵巣・骨盤腹膜などに細菌感染が起こる病気です。クラミジアや淋菌などの性感染症が原因となることが多く、早期治療しないと不妊や慢性骨盤痛の原因になります。
- Q. PIDの主な症状は何ですか?
- 下腹部痛(両側性が多い)、発熱、帯下(おりもの)の増加・変化、不正出血、性交時痛などです。症状が軽い場合もあるため、気になる症状があれば早めに婦人科を受診してください。
- Q. PIDは治りますか?不妊になりますか?
- 抗菌薬による治療で改善します。ただし放置すると卵管に癒着が生じ、不妊や卵管外妊娠のリスクが高まります。早期受診と治療完了が重要です。
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この記事を書いた人
白滝由紀フェムケア研究所 編集長
🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー
フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!


