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生理とジェンダー|理解し合うために知っておきたいこと
生理・PMS

生理とジェンダー|理解し合うために知っておきたいこと

生理はジェンダーの問題でもある。生理の貧困、教育格差、職場での偏見など、社会全体で理解を深めるために知っておきたいポイントを整理します。

約5分で読めます
#生理 #ジェンダー #理解 #教育
📑 目次

「生理のことって、なんでこんなに話しにくいんだろう?」

わたしは社会人になって数年経つけど、職場で「生理」という言葉を口にしたことは、ほとんどない。体調が悪くても「ちょっとお腹が……」とぼかして、やり過ごしてきた。

でもふと立ち止まって考えると、毎月やってくる生理のことを隠さなきゃいけない空気って、おかしくないだろうか。生理は病気じゃない。でも、確実に生活に影響する体の現象。それなのに、社会全体が「見ないふり」をしてきた歴史がある。

この記事では、生理とジェンダーの関係について、一緒に考えてみたいと思う。

生理のタブー視|なぜ「隠すもの」になったのか

日本に限らず、世界中で生理は長い間タブー視されてきた。「穢れ(けがれ)」として扱われた歴史があり、その意識は形を変えて今も残っている。

たとえば、生理用品のCMで使われる青い液体。経血を連想させないための演出だけど、これ自体が「本来の姿を見せてはいけないもの」というメッセージを無意識に送っている。

最近は赤い液体を使うCMも出てきたけど、まだ一部。「生理用品をレジに出すとき、紙袋に入れてもらう」「ポーチに隠してトイレに行く」という行動が当たり前になっている時点で、タブーの根は深い。

生理の貧困|経済的な負担は見過ごされてきた

「生理の貧困」という言葉を聞いたことがある人も多いと思う。生理用品を十分に購入できない状態のことで、日本でも5人に1人の若者が生理用品の入手に困った経験があるという調査結果がある。

生涯コストはどのくらい?

生理用品だけで考えても、初潮から閉経までの約40年間で、その費用は数十万円にのぼる。さらに鎮痛剤、低用量ピル、婦人科の受診費、温熱グッズなどを含めると、トータルの負担はかなり大きい。

対策は進んでいる?

一部の自治体や学校では、トイレへの生理用品の無償設置が始まっている。企業でも福利厚生として生理用品を提供するところが増えてきた。ただ、まだまだ「一部の先進的な取り組み」にとどまっているのが現状。

教育のギャップ|男女で異なる「知る機会」

日本の学校教育では、生理について学ぶ機会が性別で分けられることが多い。小学校の保健の授業で、女子だけ別室に集められて生理の話を聞いた……という経験、ある人も多いんじゃないかな。

この「分ける」ことが、結果的に「男子は生理について知らなくていい」というメッセージになってしまっている。

WHOが推進する**包括的性教育(CSE)**では、性別に関わらず、月経を含む体の仕組みについて学ぶことが推奨されている。生理を「女子だけの話題」にしないことが、理解への第一歩。

職場でのジェンダーギャップ

生理休暇の取得率

日本には労働基準法で生理休暇が保障されているけど、実際の取得率は1%にも満たない。「言い出しにくい」「周囲の目が気になる」という声が多く、制度があっても使えない状態が続いている。

パフォーマンスへの影響

生理痛やPMSがひどい月は、集中力が落ちたり、ミスが増えたりすることがある。でもそれを「自己管理の問題」として片づけてしまう風潮がある。これは本人の努力でどうにかなる範囲を超えている場合も多い。

必要なのは「配慮」ではなく「理解」

特別扱いしてほしいわけじゃない。ただ、「生理がつらい日がある」という事実を知ってもらうだけで、ずいぶん楽になる。フレックスタイムやリモートワークの活用、体調不良時の柔軟な対応。そういった「仕組み」があれば、無理をしなくても働き続けられる。

理解し合うために、わたしたちができること

まずは話してみる

いきなり職場で「生理の話をしよう」とは言いにくいかもしれない。でも、パートナーや家族、親しい友人との間で、少しずつ話題にしてみるだけでも意味がある。

正しい情報に触れる

SNSには不正確な情報も多い。厚生労働省やWHOなど、信頼できるソースから情報を得る習慣をつけることが大切。

「知らなかった」を責めない

生理について知らなかった人を責めても、対話は生まれない。「知らなかったけど、教えてくれてありがとう」と言える関係性が、いちばん理想的だと思う。

すべての人が生きやすい社会のために

生理は、月経のある人だけの問題じゃない。社会全体の問題。パートナー、家族、同僚、上司……みんなが少しずつ理解を深めていくことで、「隠さなくていい」「無理しなくていい」空気が生まれる。

完璧な理解なんて求めなくていい。「知ろうとする姿勢」があるだけで、救われる人がいる。


参考文献


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よくある質問

Q. なぜ生理がジェンダーの問題と言われるのですか?
生理に伴う痛みや費用負担、職場での不利益は、月経のある人だけが経験する課題です。こうした負担が社会的に見えにくいままだと、不公平が放置されることになるため、ジェンダーの視点から捉える必要があります。
Q. 男性も生理について知る必要がありますか?
はい。職場や家庭で月経のある人と接する以上、基本的な知識があることで適切なサポートができます。WHO も包括的な性教育の重要性を提唱しています。
Q. 生理についてオープンに話す社会にするにはどうすればいいですか?
まずは身近な人との小さな会話から始めるのが効果的です。学校での包括的な性教育、企業の研修、メディアでの正しい情報発信なども社会の意識を変える大きな力になります。
白滝由紀

この記事を書いた人

白滝由紀

フェムケア研究所 編集長

🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー

フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!

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