本文へスキップ
甲状腺と女性の不調|疲れ・太る・冷えは甲状腺のせい?
ホルモン・更年期

甲状腺と女性の不調|疲れ・太る・冷えは甲状腺のせい?

女性に多い甲状腺疾患(橋本病・バセドウ病等)の症状と更年期との見分け方を解説。だるさ・体重変化・冷えが続くときの検査と受診のポイント。

約5分で読めます
#甲状腺 #バセドウ病 #橋本病
📑 目次

「最近ずっと疲れがとれない」「ちゃんと食事に気をつけてるのに太る」「夏でも手足が冷える」――そんな不調が続いているなら、もしかすると甲状腺が関係しているかもしれません。

甲状腺の病気は、特に女性に多く見られるもの。でも更年期の症状と似ているため、「年齢のせいかな」と見過ごされがちなんです。

甲状腺って、そもそも何をしているの?

甲状腺は、喉の下あたりにある小さな臓器。蝶が羽を広げたような形をしています。

ここから分泌される「甲状腺ホルモン」は、全身の代謝をコントロールする大事な役割を担っています。体温を保ったり、心臓を動かしたり、脳や胃腸の働きを調整したり。つまり、全身のエンジンを動かしているようなもの。

このホルモンが多すぎても少なすぎても、体にいろんな不調が出てきます。

甲状腺機能低下症|体が”省エネモード”に

甲状腺ホルモンが足りなくなると、全身の代謝が落ちて、まるで体が省エネモードになったような状態に。代表的な病気が「橋本病(慢性甲状腺炎)」です。

こんな症状に心当たりはありませんか?

  • だるさ: 寝ても疲れがとれない感じ
  • 体重増加: 食べる量は変わってないのに体重が増える
  • 冷え: 特に手足。夏でも冷房が辛い
  • 肌の乾燥・抜け毛: 乾燥がひどく、髪も抜けやすくなる
  • 便秘: 腸の動きも鈍くなる
  • 声のかすれ: むくみの影響で声が低くなることも
  • 月経異常: 出血量が増えたり周期が乱れたり

「更年期っぽい症状だな」と思った方、多いんじゃないでしょうか。

甲状腺機能亢進症|体が”オーバーヒート”状態

逆に、甲状腺ホルモンが出すぎるとどうなるか。代謝が上がりすぎて、体がフル回転してしまいます。代表的な病気は「バセドウ病」。

症状はこんな感じ。

  • 動悸: 安静にしていても心臓がバクバク
  • 暑がり・発汗: 冬でも暑く感じる
  • 体重減少: 食べても体重が減っていく
  • 不眠・イライラ: 落ち着かない、眠れない
  • 手のふるえ: 細かい作業がしにくくなる
  • 神経過敏: 体は疲れているのに神経が高ぶる
  • 眼球突出: バセドウ病特有の症状(すべての人に出るわけではない)

こちらも「なんかメンタルの問題かな?」と思われやすいですが、実はホルモンの影響だったりします。

更年期との見分け方

更年期障害も、ホットフラッシュや疲労感、イライラといった症状が出るため、甲状腺の病気と混同されることがよくあります。

ただ、更年期は「エストロゲンの減少」が原因なのに対し、甲状腺の病気は「甲状腺ホルモンの異常」が原因。根本が違うので、治療法も変わってきます。

見分けるポイントは、血液検査をしないとわかりにくいということ。症状だけで判断するのは難しいので、自己判断せず、きちんと検査を受けることが大事です。

特に40代以降の女性は、更年期と甲状腺の問題が同時に起きることもあるので、「更年期だから仕方ない」と我慢せず、一度調べてみる価値はあります。

検査方法|血液検査で分かる

甲状腺の機能は、血液検査で調べられます。具体的には、以下のような項目をチェックします。

  • TSH: 脳から甲状腺への指令
  • FT3・FT4: 実際に働いている甲状腺ホルモンの量
  • 抗体検査: 橋本病やバセドウ病かどうかを調べる

婦人科や内科、内分泌科で検査できます。健康診断で異常を指摘されることもあります。

検査は空腹時でなくても受けられることが多いので、気になる症状があれば気軽に相談してみてください。

治療について

甲状腺の病気は、基本的に薬で管理していくことが多いです。

甲状腺機能低下症では、足りないホルモンを補う薬(チラーヂンなど)を飲みます。毎日飲む必要がありますが、副作用は少なく、飲み始めると数週間で体が楽になってくることも。

甲状腺機能亢進症では、ホルモンの分泌を抑える薬を使います。症状が落ち着いてきたら薬を減らしたり、場合によっては手術や放射線治療を選ぶこともあります。

どちらも「完治」というよりは「コントロールする」イメージ。定期的に検査を受けながら、薬の量を調整していくことが大切です。

気になったら、まず検査を

甲状腺の病気は、気づかないまま過ごしている人も多いと言われています。

「疲れやすいのは忙しいから」「太ったのは運動不足のせい」「イライラするのはストレスが溜まってるから」――そう思い込んで、何年も我慢してしまうケースも。

でも、もし甲状腺が原因なら、適切な治療で体調が劇的に改善することもあります。検査自体は簡単なので、不調が続いているなら、一度受けてみる価値はあると思います。

「なんとなく不調」を放っておかず、自分の体と向き合うきっかけにしてみてくださいね。

📖 このテーマの全体ガイド: 更年期との付き合い方完全ガイド

参考文献


あわせて読みたい

よくある質問

Q. 甲状腺の病気は女性に多いですか?
はい。橋本病(慢性甲状腺炎)やバセドウ病などの自己免疫性甲状腺疾患は、女性が男性の5〜10倍多いとされています。特に出産後や閉経前後に発症・悪化しやすい傾向があります。
Q. 甲状腺機能低下症の症状は更年期とどう違いますか?
倦怠感・体重増加・冷え・気分の落ち込みなど症状が重複するため区別が難しいです。TSH(甲状腺刺激ホルモン)などの血液検査で判別できるため、更年期症状が気になる場合は甲状腺機能の検査も合わせて受けることをおすすめします。
Q. 甲状腺の検査はどこで受けられますか?
内科・内分泌内科・婦人科などで血液検査(TSH・FT3・FT4等)と超音波(エコー)検査が受けられます。かかりつけ医に相談するか、甲状腺専門外来のある病院を探してみてください。
白滝由紀

この記事を書いた人

白滝由紀

フェムケア研究所 編集長

🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー

フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!

関連記事