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子宮筋腫とは?症状・大きさ別の治療法・手術の判断基準
婦人科の病気

子宮筋腫とは?症状・大きさ別の治療法・手術の判断基準

健康診断で「子宮筋腫」と言われた方へ。できる場所で症状の出方が変わること、経過観察でいい場合と治療を考えるべき目安、薬物療法・手術の選択肢をわかりやすく解説します。

約7分で読めます
#子宮筋腫 #過多月経 #治療法
📑 目次

30歳以上の女性の3割前後に子宮筋腫があると言われています(日本産科婦人科学会)。3人に1人近く。数字で見ると、思っていたよりずっと身近な病気だと感じませんか。

わたし自身、周りの30代の友人に聞くと「健診で指摘された」という人がぽつぽついます。ほとんどの人は、それで日常生活が変わったわけではなさそうでした。

子宮筋腫ってこんなに身近な病気

子宮筋腫は、子宮の筋肉の壁にできる良性のこぶ(腫瘍)です。女性ホルモン、特にエストロゲンの影響を受けて大きくなる性質があり、20代後半から40代にかけて発育しやすく、閉経後は縮小に向かいます。

「腫瘍」と聞くとドキッとしますが、がん化することはまれ。ただし、症状の出方や大きさは人によってまったく違います。まったく症状がなく、健診のエコーで偶然見つかっただけという人もいれば、日常生活に支障が出るほど過多月経に悩まされる人もいます。

できる場所によって、症状の出方がまったく違う

子宮の外側にできる漿膜下筋腫、筋肉の壁の中の筋層内筋腫、内腔に突出する粘膜下筋腫の位置

子宮筋腫は、できる場所によって大きく3つに分けられます。同じ「筋腫あり」でも、場所が違えば体への影響もかなり違ってくる。ここを知っておくと、自分の状態がイメージしやすくなります。

漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)

子宮の外側の膜の下にできるタイプ。子宮の内腔(内側の空間)を変形させにくいので、かなり大きくなるまで自覚症状が出ないことが多いです。健診で偶然見つかることも多いタイプです。

筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)

子宮の筋肉の中にできる、いちばん頻度が高いタイプ。大きくなると子宮の内腔を圧迫して変形させるため、過多月経や月経痛の主な原因になりやすいです。

粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)

子宮の内側、内膜のすぐ下にできるタイプ。数はいちばん少ないのですが、小さくても子宮内腔に直接顔を出すため、症状が強く出やすい。過多月経や不正出血が起こりやすく、後述するように妊娠への影響も大きめです。

経過観察でいいのか、治療を考えるべきか

「筋腫がある」と言われても、すぐ治療という話にはなりません。厚生労働省研究班監修の情報サイトによると、経過観察の場合は経膣超音波検査で3か月〜1年おきにフォローアップしていくのが一般的です。

治療を考えるラインの目安は、だいたいこのあたり。

  • 過多月経で貧血症状(動悸・めまい・息切れ・疲れやすさ)が出ている
  • 筋腫が急速に大きくなっている
  • 頻尿や下腹部の圧迫感など、生活の質を下げる症状がある
  • 妊娠を希望していて、筋腫が影響しそうな場所にある
  • サイズがかなり大きい、または閉経後に増大傾向がある(子宮肉腫との鑑別のため精査が必要になることも)

貧血については、過多月経だけが原因とは限らず、単純に鉄分不足のこともあります。鉄剤やサプリメントで貧血がコントロールできているなら、それだけで手術が必要になるわけではありません。

治療の選択肢は、ひとつじゃない

薬物療法(症状をやわらげる)

いきなり手術、というわけではありません。まずは症状のコントロールから考えるのが一般的です。

低用量ピルや、黄体ホルモンを持続的に放出する子宮内システム(ミレーナ)は、経血量を減らして過多月経のつらさを軽くする目的で使われます。GnRHアゴニスト(リュープリンなど)やGnRHアンタゴニスト(レルミナなど)は、女性ホルモンの分泌を一時的に抑えて筋腫を縮小させる薬。レルミナは経口薬で、アゴニストで起こりやすい一時的な症状悪化(フレアアップ)が少ないという特徴があります。ただし、いずれも使用中だけの効果で、やめれば筋腫は元のサイズに戻っていきます。

手術療法(筋腫そのものにアプローチする)

筋腫核出術は、筋腫だけを取り除いて子宮を残す方法。妊娠を希望する場合に選ばれることが多いです。ただし筋腫ができた場所には、また新しい筋腫ができる可能性が残ります。

子宮全摘出術は、子宮そのものを摘出する方法。今後妊娠を希望しない場合の根本的な選択肢です。卵巣は残すのが一般的なので、女性ホルモンの分泌自体が急になくなるわけではありません。

手術以外の選択肢もある

開腹や腹腔鏡での手術以外に、子宮動脈塞栓術(UAE、筋腫への血流を止めて縮小させる)や、集束超音波治療(FUS、体の外から超音波を当てて筋腫を焼灼する)といった、体への負担が比較的軽い方法もあります。ただし対応できる筋腫のサイズや場所には制限があるので、どの方法が合うかは検査結果次第です。

正直、「これが唯一の正解」という治療法はありません。年齢、症状の重さ、妊娠を希望するかどうか、仕事や生活への影響。そういった要素を全部並べたうえで、主治医と相談しながら決めていくものだと思います。

妊娠を考えている場合はどうなるの?

筋腫があるからといって、妊娠できないわけではありません。多くの場合は自然妊娠も可能です。

ただ、できる場所によっては話が変わってきます。特に粘膜下筋腫は子宮の内腔に直接影響するため、受精卵が着床しにくくなったり、流産や早産のリスクが上がったりすることがあると言われています。筋層内筋腫も、大きさや位置によっては同じような影響が出ることがあります。

妊活を考えているなら、筋腫の場所とサイズを一度きちんと確認しておくと安心材料になります。個人的には、「筋腫があるからどうせ無理」と自己判断で諦めてしまうより、まず検査で状態を把握するほうが、あとあと選択肢が広がる気がしています。

閉経したらどうなるの?

閉経して女性ホルモンの分泌が下がると、筋腫は徐々に縮小し、過多月経などの症状も自然と落ち着いていくことが多いです。「治療しなくても、いつかは楽になる」というのは、間違いではありません。

とはいえ、それまでの数年〜十数年をつらい症状のまま我慢する必要はないはず。今の生活の質を優先するかどうかも、治療を考えるときの大事な判断材料です。

受診の目安

こんなサインがあったら、一度婦人科で相談してみてください。

  • 生理の経血量が明らかに増えた、レバー状の塊が出る
  • 夜用ナプキンでも漏れる、1〜2時間おきに交換が必要
  • 立ちくらみ、動悸、疲れやすさなど貧血っぽい症状がある
  • 下腹部の張りや圧迫感、頻尿が続いている
  • 健診で「経過観察」と言われたまま、しばらく検査を受けていない

すでに「経過観察」と診断されている人も、指定された間隔での再検査はサボらないでほしいところ。変化がなければそれでいいし、変化があれば早めに気づけます。

最後に

子宮筋腫は、多くの女性が抱えている、思っている以上にありふれた病気です。だからこそ「これくらい普通」と我慢してしまいがちなところもある気がします。

できる場所やサイズによって、必要な対応はかなり変わってきます。気になる症状があれば、まずは検査を受けて、自分の筋腫がどんなタイプなのかを知ることから始めてみてください。


参考文献

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よくある質問

Q. 子宮筋腫は放っておくと消えますか?
閉経前に自然に消えることは基本的にありません。閉経後は女性ホルモンの分泌が減るため、筋腫が縮小していく傾向があります。
Q. 子宮筋腫があると妊娠できませんか?
多くの場合は妊娠可能です。ただし粘膜下筋腫など、できる場所によっては着床の妨げになることがあり、妊娠を希望する場合は医師と相談することが大切です。
Q. 手術以外に治療法はありますか?
低用量ピルやミレーナなどの薬物療法のほか、子宮動脈塞栓術(UAE)や集束超音波治療(FUS)など、子宮を残しながら筋腫にアプローチする選択肢もあります。
白滝由紀

この記事を書いた人

白滝由紀

フェムケア研究所 編集長

🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー

フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!

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