バルトリン腺嚢胞とは?症状・原因・治療法をわかりやすく解説
バルトリン腺嚢胞の症状、原因、治療法を婦人科目線でわかりやすく解説。放置してよいケースと受診すべきケース、手術の種類や再発予防も紹介します。
📑 目次
デリケートゾーンに突然しこりができて焦った経験、ありませんか? それ、もしかしたら「バルトリン腺嚢胞」かもしれません。
あまり聞き慣れない名前だけど、実は珍しい病気ではないんです。今回はバルトリン腺嚢胞について、症状から治療法までしっかり解説していきます。
バルトリン腺ってどこにあるの?
バルトリン腺は、膣口の左右にある小さな分泌腺です。大きさは1cmほどで、通常は目で見たり触ったりしてもわかりません。
この腺の役割は、性的な興奮時に粘液を分泌して膣口をうるおすこと。腺から出た分泌液は細い管(バルトリン腺管)を通って膣口に出てきます。
バルトリン腺嚢胞とは
バルトリン腺管の出口が何らかの原因で詰まると、分泌液が外に出られなくなって腺の中にたまっていきます。これが「バルトリン腺嚢胞」です。
嚢胞自体は良性で、がん化することはほぼありません。ただし感染を起こすと膿がたまって「バルトリン腺膿瘍」になり、強い痛みや発熱を伴うことがあります。
主な症状
嚢胞(感染なし)の場合
- 外陰部の片側にやわらかいしこりがある
- 痛みはないか、軽い違和感程度
- 歩いたり座ったりするときに異物感
- 大きさは数mmから数cmまでさまざま
膿瘍(感染あり)の場合
- 急速に腫れて大きくなる
- 強い痛みがある(座れないほどのことも)
- 赤く熱を持っている
- 発熱やだるさを伴うことがある
- 自然に破れて膿が出ることも
原因
はっきりした原因がわからないことも多いですが、以下のようなことが関係しているとされています。
- 腺管の出口に粘液や老廃物が詰まる
- 細菌感染による炎症で腺管が閉塞する
- 大腸菌やブドウ球菌などの一般的な細菌が原因になることが多い
- クラミジアや淋菌などの性感染症が関与するケースもある
ストレスや疲労で免疫が落ちているときに発症しやすい、という印象を持つ医師も多いようです。20〜30代の女性に多い傾向がありますが、年齢を問わず起こり得る疾患です。
診断
婦人科での診断は比較的シンプルです。
- 視診と触診でほぼわかる
- 必要に応じて超音波検査
- 膿がある場合は培養検査で原因菌を特定
- 40歳以上の場合、まれにバルトリン腺がんの可能性を除外するため生検を行うことも
治療法
経過観察
小さくて無症状なら、そのまま様子を見ることもあります。温かいお湯での坐浴(1日数回、10〜15分)で自然に排出されることもあります。
切開排膿
膿瘍化して痛みが強い場合、局所麻酔で切開して膿を出します。即効性はありますが、再発しやすいのがデメリットです。
造袋術(マーシュピアリゼーション)
嚢胞の壁を切開して外側に縫い付け、新しい開口部を作る方法。再発率が低く、局所麻酔で15〜30分程度、日帰りまたは1泊入院で済みます。
Word カテーテル
バルーン付きカテーテルを嚢胞内に4〜6週間留置して新しい排出路を作る方法。外来で処置可能で低侵襲です。
バルトリン腺摘出術
繰り返し再発する場合の最終手段。腺ごと取り除きますが、侵襲が大きいため他の方法で対処できない場合に限られます。
自宅でできるケア
- 坐浴: ぬるめのお湯に10〜15分浸かる。1日2〜3回
- 清潔を保つ: デリケートゾーンは優しく洗い、通気性の良い下着を選ぶ
- 締め付けを避ける: タイトなジーンズやガードルは控えめに
- 無理に触らない: 自分で潰そうとすると感染が悪化するリスクあり
坐浴は地味に見えるけど、実際に効く人が多いケア方法です。お湯の温度は38〜40度くらいが目安。浴槽に浸からなくても、洗面器を使って部分的に温めるだけで十分です。坐浴を数日続けたら嚢胞が自然に小さくなった、というケースも報告されています。ただし膿瘍化している場合は坐浴だけで対処しようとせず、婦人科で適切な治療を受けてください。
こんなときはすぐ受診を
- 急に大きくなって痛みがある、または38度以上の発熱を伴う
- 歩けないほどの痛みがある
- しこりが硬くて動かない(他の疾患の可能性)
- 何度も再発を繰り返す
一度良くなってもしこり感が残る、毎回同じ側が腫れる、排膿しても数ヶ月で戻るという場合は、「そのうち治るはず」で引っぱらないほうがいいです。再発を繰り返すタイプは、最初から造袋術や Word カテーテルを検討したほうが通院回数も痛みも少なく済むことがあります。痛みがない時期に一度方針相談だけしておくのも有効です。
参考文献
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よくある質問
- Q. バルトリン腺嚢胞は放置しても大丈夫ですか?
- 小さくて無症状の嚢胞は経過観察でよい場合もあります。ただし大きくなったり、痛みや腫れが出てきた場合は感染の可能性があるため、婦人科を受診してください。
- Q. バルトリン腺嚢胞は性行為が原因ですか?
- 性行為が直接の原因ではありません。腺の開口部が何らかの理由で詰まることで分泌液がたまり、嚢胞ができます。ただし性感染症による炎症が詰まりの原因になることはあります。
- Q. バルトリン腺嚢胞は再発しますか?
- 残念ながら再発することがあります。特に単純な切開排膿のみの場合は再発率が高めです。造袋術(マーシュピアリゼーション)など、開口部を維持する治療法のほうが再発しにくいとされています。
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この記事を書いた人
白滝由紀フェムケア研究所 編集長
🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー
フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!


