カンジダ膣炎の症状と治し方|再発を繰り返す人が見直したいこと
強いかゆみとポロポロしたおりものが特徴のカンジダ膣炎。原因や細菌性膣症との違い、治療の基本、再発を繰り返す人が見直したい生活習慣をまとめました。
📑 目次
夜、お風呂上がりに急にかゆくてたまらなくなる。下着の中がずっとムズムズして、仕事中も気になって集中できない――。そんな夜を過ごしたことがある人、実は少なくないと思う。
それ、もしかしたら「カンジダ膣炎」かもしれません。
カンジダ膣炎ってどんな状態?
カンジダは、腸や口の中、そして膣の中にも普段からいる常在菌(真菌の一種)。乳酸菌などと一緒にバランスを取りながらおとなしくしているけど、何かのきっかけで異常に増殖すると、強いかゆみやおりものの変化を引き起こす。これが「カンジダ膣炎(外陰膣カンジダ症)」。
MSDマニュアル プロフェッショナル版によると、カンジダは非妊娠女性の膣内に15〜20%の割合で常在しているとされている。つまり、カンジダそのものは多くの人の体の中にいて、症状が出ていない状態のほうがむしろ普通ということ。増えすぎてバランスが崩れたときに、はじめて症状として表に出てくる、というイメージのほうが近い。
主な症状|強いかゆみとポロポロしたおりもの
典型的な症状はこのあたり。
- 外陰部から膣にかけての強いかゆみ・灼熱感
- 白くポロポロした、カッテージチーズやヨーグルトのようなおりもの
- 性交痛や、排尿時のヒリヒリ感
- 外陰部の赤みや腫れ
一番の特徴は、なんといっても「かゆみの強さ」。生理前に悪化しやすいのもポイントで、下着の中がずっと気になって仕事中も集中できない、というレベルまでいく人も珍しくない。
細菌性膣症(BV)との見分け方
おりものが変化する婦人科トラブルとしては、細菌性膣症(BV)とは?原因・症状・治療と予防法もよく知られている。この2つ、似ているようで実はけっこう違う。
BVは魚のような生臭い臭いが特徴で、かゆみは少ない。一方カンジダは、臭いはそこまで目立たないけど、かゆみが強いのが特徴。おりものも、BVはサラッとした灰白色、カンジダは白くてポロポロしている。とはいえ自己判断だけで完全に見分けるのは難しいので、迷ったら受診が確実。
なぜ増殖してしまうの?
はっきり「これだけが原因」と特定しにくいところは、BVとも共通している。ただ、リスクを高める要因はいくつかわかっている。
- 抗菌薬(抗生物質)の使用:風邪や膀胱炎の治療で抗生物質を飲んだあとにカンジダが増えるのは、あるあるパターン。膣内の乳酸菌まで一緒に減らしてしまうため
- 免疫力の低下:疲れ、ストレス、睡眠不足、風邪気味のとき
- 高温多湿の環境:汗をかきやすい季節、締め付けの強い下着、ムレやすいストッキング
- 洗いすぎ:デリケートゾーン用ソープでゴシゴシ洗いすぎたり、膣の中まで洗ってしまうと、逆に必要な常在菌まで流してしまうことがある
- 糖尿病や妊娠:血糖値が高い状態やホルモンバランスの変化も、カンジダが増えやすい環境をつくる
個人的には、「洗いすぎ」の項目がいちばん見落とされがちだと思う。かゆいから念入りに洗おう、という発想が逆効果になっているケースは結構ある気がする。
なお、カンジダ膣炎は性感染症には分類されていない。性交渉がきっかけで症状が出ることはあるけれど、パートナーへの治療は基本的に不要とされている。
治療は医療機関の受診が基本
ここは、正直はっきり書いておきたい。カンジダ膣炎の治療は、婦人科を受診して抗真菌薬の処方を受けるのが基本です。
婦人科では、おりものを採取して顕微鏡でカンジダ菌の有無を確認したうえで、膣錠や外用の抗真菌薬を処方してもらえる。数日〜1週間ほどの治療で症状が落ち着くことが多い。
「ドラッグストアで薬が売ってるなら、それでいいのでは」と思う人もいるかもしれない。実際、膣カンジダの再発治療薬は市販でも購入できる。ただしこれは、過去に医師の診断・治療を一度でも受けたことがある人向けの薬。初めて症状が出た人や、カンジダかどうか自分では判断がつかない人が自己判断で使うのは避けたほうがいい。かゆみの原因がカンジダ以外の病気(性感染症や皮膚疾患など)だった場合、症状を悪化させたり、正しい診断が遅れてしまうことがあるため。
だから、初めての症状のときはまず婦人科で診断を受けること。遠回りに見えて、それが結果的に一番の近道になる。
再発を繰り返す人が見直したいこと
カンジダ膣炎は、一度治療してもまた症状が出る「再発」がとても多い病気。MSDマニュアル プロフェッショナル版では、過去12ヶ月間に4回以上エピソードを繰り返す状態を再発性のカンジダ膣炎と位置づけていて、こうなると通常より長めの治療計画が必要になることもある。
繰り返してしまう場合、以下のあたりを見直してみて。
- デリケートゾーンの洗いすぎをやめる:ゴシゴシ洗いは逆効果。外陰部を弱酸性のソープでやさしく洗うくらいで十分
- 通気性を意識する:締め付けの強い下着やストッキングを避け、コットン素材を選ぶ。汗をかいたら早めに着替える
- 睡眠とストレスケア:免疫力が下がるタイミングで再発しやすいので、無理をしすぎない
- 抗生物質を飲んだあとは注意:他の病気の治療で抗生物質を使ったあとは、カンジダが増えやすい時期だと意識しておく
- 血糖値が気になる場合は内科的なチェックも:糖尿病がベースにあると再発しやすくなる
正直、これをやれば絶対に再発しないというものではない。カンジダは体にもともといる菌だから、完全にゼロにすることはできないし、体調や環境によってはまた出てくることもある。「また来た」と落ち込みすぎず、生活習慣の見直しと、必要なときはちゃんと受診するというスタンスでいいと思う。
受診の目安
こんなときは、様子見せずに婦人科を受診してほしい。
- 初めてこの症状が出た(自己判断でカンジダと決めつけない)
- 市販薬を使っても症状が改善しない、または悪化する
- 発熱や下腹部痛など、通常のかゆみ・おりもの以外の症状がある
- 1〜2ヶ月に1回、あるいは半年以内に2回以上など、再発を繰り返している
- 妊娠中、または妊娠している可能性がある
特に妊娠中は使える薬が限られるので、自己判断で市販薬を使わず、必ず産婦人科に相談を。
恥ずかしがらずに、まずは受診を
デリケートゾーンのかゆみは、人にはなかなか相談しづらい。でもカンジダ膣炎は、婦人科の先生にとってはかなり日常的な相談のひとつ。恥ずかしがる必要はまったくない。気になる症状があれば、早めに婦人科の扉を開いてみてください。
参考文献
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よくある質問
- Q. カンジダ膣炎は市販薬だけで治せますか?
- 初めての症状であれば、自己判断での市販薬使用はおすすめできません。市販の再発治療薬は、過去に医師の診断・治療を受けたことがある人向けです。まずは婦人科を受診しましょう。
- Q. カンジダ膣炎とBV(細菌性膣症)はどう違いますか?
- カンジダ膣炎は強いかゆみと白くポロポロしたおりものが特徴で、BVは生臭い臭いとサラッとしたおりものが特徴です。原因菌も治療薬も異なります。
- Q. カンジダ膣炎はパートナーにうつりますか?
- 性感染症には分類されておらず、パートナーの治療は基本的に不要とされています。ただし性交渉が発症・再発のきっかけになることはあります。
この記事を書いた人
白滝由紀フェムケア研究所 編集長
🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー
フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!

