更年期の物忘れ対策|記憶力低下の原因と改善法
鍵をどこに置いたか忘れる、人の名前が出てこない…更年期の物忘れはホルモン変化による一時的なもの。脳の仕組みから日常でできる改善策まで解説します。
📑 目次
財布を持たずに家を出て、コンビニのレジで気づく。さっき誰かに言おうと思っていたことが、口を開いた瞬間に消える。スーパーで何を買うつもりだったか思い出せず、スマホのメモを見返す。
40代半ばを過ぎたあたりから、こういうことが増えていませんか?
「まだ若いのに認知症…?」と不安になる気持ち、すごくわかります。でも、更年期の物忘れの多くは、ホルモンバランスの変化による一時的なもの。脳そのものの病気じゃありません。
物忘れと「もの忘れ」は違う
更年期に起きる物忘れは、認知症とは性質が違います。
認知症の場合、「朝ごはんを食べたこと自体」を忘れます。でも更年期の物忘れは、「朝ごはんに何を食べたか」を思い出せない程度。体験そのものは覚えているけど、細かいことがぼんやりしてくる。
それから、指摘されればちゃんと思い出せることも多いですよね。「ほら、あの人だよ」と言われて「ああ!」となる。これは記憶がなくなったわけじゃなくて、引き出しにくくなっているだけ。
更年期の物忘れでよくあるのはこんな感じ。
- 人の名前が出てこない(「あの人、ほら…」が増える)
- やろうと思っていたことを忘れる
- 同じ話を何度もしてしまう
- 家の鍵や携帯をどこに置いたか忘れる
- 約束を忘れそうになる(スケジュール管理が甘くなる)
日常生活に大きな支障はないけど、地味にストレス。「前はこんなんじゃなかったのに」と落ち込む人も多いです。
エストロゲンが減ると記憶力も下がる理由
エストロゲンは、女性ホルモンとして有名だけど、実は脳の働きにも深く関わっています。
記憶を司る「海馬」という部分には、エストロゲンの受容体がたくさんあります。つまりエストロゲンが減ると、海馬の働きも落ちる。これが更年期の物忘れの大きな原因です。
それだけじゃありません。更年期には他にもいろんな要因が重なります。
睡眠不足
ホットフラッシュで夜中に起きる、寝つきが悪い。睡眠中に記憶が整理されるので、眠れないと記憶力も落ちます。
ストレス
仕事、家庭、親の介護…40〜50代は負荷が多い時期。ストレスホルモン(コルチゾール)が増えると、記憶力は低下します。
自律神経の乱れ
自律神経が乱れると、脳への血流も不安定に。脳は酸素とエネルギーをたくさん使う臓器なので、血流が悪いとパフォーマンスが落ちます。
つまり、「ホルモン変化+睡眠不足+ストレス」のトリプルパンチ。物忘れが増えるのも無理はないんです。
今日からできる物忘れ対策
記憶力は、日常生活の工夫で改善できることが意外と多いです。全部やろうとしなくて大丈夫。できそうなものから試してみてください。
メモに頼る(脳の外に記憶を置く)
「メモを取るなんて負けた気がする」——そう思う気持ちもわかります。でも、脳のキャパシティは有限です。
やることリスト、買い物メモ、パスワード、約束…全部覚えようとするより、紙やスマホに書き出してしまう方が楽。メモを取ることで「忘れたらどうしよう」という不安からも解放されます。
スマホのリマインダー機能を使うのもおすすめ。「17時に○○に電話する」とか、具体的に設定しておけば忘れません。
ルーティンを作る(置き場所を固定する)
鍵は玄関のフック、財布はバッグのポケット、スマホは充電器の横——置き場所を決めて習慣化すると、探し物が減ります。
「いつもと違うことをしたとき」に物忘れは起きやすい。逆に言えば、ルーティン化してしまえば、考えなくても自然に体が動くようになります。
睡眠の質を上げる
記憶の整理整頓は、寝ている間に行われます。睡眠不足は、物忘れの大敵。
寝室を涼しくする、寝る前のスマホをやめる、カフェインは午後3時以降控える。小さなことだけど、積み重なると睡眠の質は変わります。
脳を使う習慣を続ける
「物忘れが怖いから」と頭を使わなくなると、かえって記憶力は落ちます。脳は筋肉と同じ。使わないと衰える。
日記を書く、料理のレシピを覚える、クロスワードパズルをする、友達と会話を楽しむ——何でもいいです。「新しいこと」や「ちょっと考えること」を日常に取り入れると、脳は活性化します。
脳に良い食事を意識する
極端な糖質制限は、脳のエネルギー不足を招くので要注意。適度な炭水化物は必要です。
物忘れ対策におすすめの栄養素:
- DHA・EPA(青魚、くるみ):脳細胞の材料になる
- ビタミンB群(豚肉、卵、納豆):神経伝達をサポート
- ポリフェノール(ブルーベリー、緑茶、カカオ):脳の老化を防ぐ
- コリン(大豆、卵黄):記憶力向上に関わる
「バランス良く」って言われても難しいので、週に3回は魚を食べる、朝ごはんに卵を追加する、くらいの気軽さで。
運動で脳への血流を増やす
運動すると、脳への血流が増えて記憶力が向上します。ジムに通わなくても、散歩やラジオ体操でOK。
1日20〜30分、週3回くらいのペースで続けると、数週間で「あれ、ちょっと調子いいかも」と感じられることも。
こんなときは受診を検討
更年期の物忘れは多くの場合一時的だけど、こんな症状があるときは婦人科や脳神経内科への受診を考えてみてください。
- 物忘れがどんどん悪化している
- 日常生活に支障が出始めている(仕事でミスが増える、約束を何度も忘れるなど)
- 体験そのものを忘れる(「昨日会った」こと自体を覚えていない)
- 他の更年期症状(ホットフラッシュ、イライラ、不眠)も辛い
- 物忘れ以外に、頭痛やめまいなど気になる症状がある
婦人科では、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬で更年期症状全体を和らげることができます。物忘れだけじゃなく、他の症状も楽になることが多いです。
完璧を目指さなくていい
更年期の物忘れは、多くの場合、ホルモンバランスが安定すると自然に改善していきます。
でも、その「安定するまでの数年間」が辛いんですよね。焦る気持ちもわかります。
メモに頼る、置き場所を決める、睡眠を大事にする。どれも地味だけど、積み重ねると確実に違います。「物忘れをゼロにする」んじゃなくて、「ちょっと楽になる」くらいの気持ちで。
それから、物忘れを笑い飛ばせる相手がいるのも大事。「またやっちゃった」を共有できる友達や家族がいれば、少し気が楽になります。
更年期は通過点。今は脳が調整中なだけです。
参考文献
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よくある質問
- Q. 更年期の物忘れは認知症とは違いますか?
- 認知症は体験自体を忘れますが、更年期の物忘れは細部が思い出しにくいだけで、指摘されれば思い出せる一時的なものです。
- Q. なぜ更年期になると記憶力が下がるのですか?
- 記憶を司る海馬にはエストロゲン受容体が多く、エストロゲン減少に加え睡眠不足やストレスが重なり記憶力が低下します。
- Q. 更年期の物忘れを改善するにはどうすればいいですか?
- スマホのリマインダーやメモを活用し、睡眠の質を上げ、日記や会話など脳を使う習慣を続けることが効果的です。
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この記事を書いた人
白滝由紀フェムケア研究所 編集長
🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー
フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!

