更年期とテストステロン|女性にも必要な男性ホルモンの話
更年期の不調、実はエストロゲンだけの問題じゃない。意外と知られていない「女性のテストステロン」と、その減少が引き起こす症状について解説します。
📑 目次
更年期の話をすると、ほとんどの場合「エストロゲンが減るから…」という説明になりますよね。でも実は、女性の体の中では「テストステロン」という男性ホルモンも作られていて、これも更年期に減少します。
「テストステロン?それって男性ホルモンでしょ?」
そう、男性ホルモンです。でも女性の体にもちゃんと存在していて、意外と重要な役割を果たしているんです。
最近わたしの友人が「更年期の検査で、テストステロンも測ったほうがいいって言われた」と話していて、「え、女性もそれ測るの?」って驚いたのがきっかけで、ちょっと調べてみました。
女性の体にも、テストステロンは存在する
テストステロンというと筋肉ムキムキの男性を想像するかもしれませんが、女性の体でも卵巣と副腎で作られています。
量としては男性の10分の1〜20分の1程度。でもこの少量が、ちゃんと意味を持っている。
- 筋肉や骨を維持する
- やる気やエネルギーをサポートする
- 性欲(リビドー)に関係する
- 気分や集中力を安定させる
- 脂肪の代謝に関わる
エストロゲンばかりが注目されがちですが、実は女性の活力や意欲にはテストステロンも深く関わっているんです。
更年期になると、テストステロンも減る
閉経前後、エストロゲンが急激に減るのと同時に、テストステロンもゆるやかに減少していきます。
個人差はあるけれど、40代後半から50代にかけて、徐々に低下。エストロゲンほど急激ではないけれど、じわじわと減っていく感じです。
「更年期のだるさ」「やる気が出ない」「以前みたいに動けない」——こういう症状の一部は、実はテストステロン不足が関係しているかもしれません。
テストステロンが減ると、こんな症状が出る
エストロゲン不足の症状(ホットフラッシュや膣の乾燥など)とは少し違って、テストステロンが減ると以下のような変化が現れやすくなります。
疲れやすい、やる気が出ない
朝起きても「もう一回寝たい…」と思う。何をするにも億劫。前は楽しかったことにも興味が湧かない。
これ、エストロゲンだけじゃなくて、テストステロン不足のサインかもしれません。活力や意欲にダイレクトに関わるホルモンなので、減るとエネルギー切れみたいな感覚になります。
筋力が落ちる、体がたるむ
「運動してないわけじゃないのに、なんか引き締まらない」 「二の腕や下腹が前よりたるんできた」
テストステロンは筋肉の維持に関わっているので、減ると筋肉量が落ちやすくなります。代謝も下がるから、体重も増えやすい。
性欲が減る
「なんとなく、そういう気分にならない」——これも実はテストステロンと関係があります。
エストロゲンが膣の潤いや快感に関係しているのに対して、テストステロンは「したい」という気持ちそのもの、つまり性欲に深く関わっている。どちらが減っても、性生活に影響が出る可能性があります。
気分の落ち込み、集中力の低下
なんとなく気持ちが沈む、集中できない、小さなことでイライラする——こういった精神面の不調にも、テストステロンは関わっています。
もちろん更年期の気分の変化はエストロゲン不足も影響しているので、どちらが原因かは一概には言えません。ただ、テストステロンも無視できない要素だということ。
テストステロン不足、どうやって気づく?
正直なところ、「これはテストステロン不足だ!」と自己判断するのは難しい。エストロゲン不足と症状が重なる部分も多いので。
でも、こんな場合は一度検査してみる価値があるかもしれません。
- HRT(ホルモン補充療法)を受けているのに、だるさや意欲低下が改善しない
- 性欲の低下が気になる
- 筋肉量が落ちて、疲れやすくなった
- 運動しても体が引き締まらない
婦人科で血液検査をすれば、テストステロン値を測ることができます。保険適用かどうかは病院や症状によるので、事前に確認してみて。
女性のテストステロン補充、日本ではまだ少ない
海外(特にアメリカやヨーロッパ)では、更年期女性へのテストステロン補充療法が行われることがあります。エストロゲン単独のHRTで改善しない場合に、テストステロンを少量追加する形です。
でも日本では、まだ一般的ではありません。
理由は主に3つです。
- 日本国内で承認された女性用のテストステロン製剤が少ない
- データや治療経験が不足している
- 副作用(多毛、ニキビ、声が低くなるなど)のリスク管理が難しい
そのため、日本の婦人科では「まずエストロゲン補充で様子を見る」というのが主流です。
ただし、一部のクリニックや専門医では、個別に相談できる場合もあります。気になる人は、更年期治療に詳しい婦人科を探してみるといいかも。
生活習慣でテストステロンをサポートする方法
薬に頼らなくても、生活の中でテストステロンを維持・増やす工夫はできます。
筋トレをする
筋肉を使うことで、テストステロンの分泌が促されます。特に下半身の大きな筋肉(スクワットなど)を鍛えると効果的。
ジムに通わなくても、家で自重トレーニングをするだけでも十分です。週に2〜3回、10分でもいいから続けてみて。
質の良い睡眠をとる
睡眠不足は、テストステロンの分泌を妨げます。特に深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間が大事。
夜更かしを避けて、7時間前後の睡眠を確保するだけでも違います。寝る前のスマホも控えめに。
良質なタンパク質と脂質を摂る
テストステロンの材料になるのは、タンパク質とコレステロール(脂質)。
極端な糖質制限や脂質制限は、逆にホルモンバランスを崩すことがあります。肉、魚、卵、ナッツ、オリーブオイルなど、バランスよく摂るのが基本。
過度なストレスを避ける
慢性的なストレスは、コルチゾール(ストレスホルモン)を増やし、テストステロンを減らします。
完全にストレスフリーなんて無理だけど、リラックスできる時間を意識的に作る。散歩、ヨガ、好きな音楽を聴く——なんでもいいので、自分なりの息抜きを見つけてみてください。
最後に
更年期の不調というと「エストロゲンが減るから」という説明がほとんどですが、実はテストステロンも地味に大事な役割を果たしている。
「なんかだるい」「やる気が出ない」「筋肉が落ちた気がする」——こういう症状に悩んでいるなら、一度テストステロンのことも頭に入れておくといいかもしれません。
もちろん、自己判断は禁物。気になることがあれば、まずは婦人科で相談してみてくださいね。血液検査をすれば、ホルモンの状態がわかります。
更年期は、エストロゲンだけじゃなくて、いろんなホルモンのバランスが変わる時期。自分の体の変化をちゃんと知って、上手に付き合っていきましょう。
参考文献
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よくある質問
- Q. 女性にもテストステロンは必要ですか?
- はい。女性の体でも卵巣と副腎で作られ、筋肉維持・やる気・性欲・集中力の安定に重要な役割を果たしています。
- Q. テストステロンが減るとどんな症状が出ますか?
- 疲れやすさ、やる気の低下、筋力低下、性欲減退、気分の落ち込みや集中力の低下などが現れやすくなります。
- Q. テストステロン不足はどうやって調べられますか?
- 婦人科で血液検査により測定できます。HRTで改善しない倦怠感や性欲低下がある場合は検査を検討しましょう。
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この記事を書いた人
白滝由紀フェムケア研究所 編集長
🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー
フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!

