細菌性膣症(BV)とは?原因・症状・治療と予防法
おりものが魚臭い、量が増えた…それは細菌性膣症(BV)かもしれません。原因・症状・治療法と、再発を防ぐための膣内環境ケアについて詳しく解説します。
📑 目次
「なんか最近、おりものの臭いが気になる…」。デリケートゾーンの臭いって、人にはなかなか相談しにくい悩みですよね。
特に、生臭い・魚のような臭いがする場合は、「細菌性膣症(BV:Bacterial Vaginosis)」の可能性があります。実はこれ、女性の膣トラブルの中で最も多い疾患のひとつ。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のデータでは、15〜44歳の女性の約29%が経験するとされています。
わたし自身も20代のとき、おりものの変化で婦人科を受診して「細菌性膣症ですね」と言われた経験がある。名前を聞いたこともなかったから最初はびっくりしたけど、実はとても身近なトラブルなんです。
細菌性膣症ってどんな状態?
健康な膣の中には「乳酸菌(ラクトバチルス)」がたくさん住んでいて、膣内を酸性(pH 3.8〜4.5)に保つことで雑菌の繁殖を防いでいます。これが膣の「自浄作用」。
細菌性膣症は、この乳酸菌が減少して、代わりにガードネレラ菌などの嫌気性菌が異常に増殖した状態。膣内のpHバランスが崩れて、アルカリ性に傾くことでさまざまな症状が出てきます。
ポイントは、外から菌が入ってきて感染するのではなく、もともと膣にいる菌のバランスが崩れることで起きるということ。だから性感染症とは違います。
細菌性膣症の主な症状
特徴的な臭い
一番わかりやすいのが、魚のような生臭い臭い。特に生理後やセックスの後に臭いが強くなることがあります。これは、血液や精液がアルカリ性のため、膣内環境がさらにアルカリに傾くことで臭いの原因物質(アミン)が揮発しやすくなるから。
おりものの変化
- 灰白色〜黄色っぽいサラッとしたおりもの
- 量がいつもより多い
- 泡立ちはない(泡立ちがある場合はトリコモナスを疑う)
かゆみは少ない
カンジダ膣炎と違って、強いかゆみが出ることは少ないです。「臭いは気になるけど、かゆくはない」という場合は、BVの可能性が高い。
ちなみに、BVの約半数は無症状とも言われています。検診で偶然見つかるケースも。
何が原因でバランスが崩れるの?
はっきり「これが原因」と特定しにくいのがBVの厄介なところ。でも、リスクを高める要因はわかっています。
- 膣の洗いすぎ:膣内をビデや石鹸で洗うと、乳酸菌が流されてしまう
- 新しいパートナーとの性行為:膣内の細菌叢が変化しやすい
- 喫煙:膣の免疫力を低下させるという研究がある
- ストレスや疲労:免疫力の低下は膣内環境にも影響
- 抗生物質の使用:乳酸菌も一緒に減ってしまうことがある
特に「膣の洗いすぎ」は日本人女性に多い原因のひとつ。デリケートゾーンを清潔にしたい気持ちはわかるけど、膣の中まで洗う必要はありません。外陰部だけを優しく洗えば十分です。
診断と治療
婦人科での診断
婦人科では、おりものを採取して以下のような検査を行います。
- Whiff test(アミンテスト): おりものにアルカリを加えて臭いを確認
- pH測定: pH 4.5以上ならBVを疑う
- 顕微鏡検査: 「クルー細胞」と呼ばれる特徴的な細胞の有無を確認
治療はシンプル
治療は抗菌薬の投与が基本です。
- メトロニダゾール(内服または膣錠):最も一般的
- クリンダマイシン(膣クリームまたは内服)
通常5〜7日間の使用で症状は改善します。パートナーの治療は基本的に不要です。
やっかいなのは「再発しやすい」こと
BVの最大の悩みは、再発率の高さ。治療後3ヶ月以内に約30%が再発するというデータもあります。
再発を防ぐためには、膣内環境を整える日常ケアが重要です。
再発を防ぐためにできること
- 膣の中まで洗わない:外陰部のみ、弱酸性のソープで優しく
- 通気性の良い下着を選ぶ:コットン素材がおすすめ
- 乳酸菌を意識した食生活:ヨーグルトや発酵食品を取り入れる
- ストレスケア:睡眠をしっかり取る、リラックスの時間を作る
- デリケートゾーン用のpHケア製品を活用:膣内環境を酸性に保つサポートに
妊娠中のBVは要注意
妊娠中にBVがある場合、早産や前期破水、低出生体重児のリスクが高まることが日本産科婦人科学会でも指摘されています。
妊娠中に臭いやおりものの変化を感じたら、早めにかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。妊娠中でも使える治療薬があります。
恥ずかしがらずに相談してほしい
デリケートゾーンの悩みは一人で抱えがちだけど、BVは婦人科の先生にとっては日常的な相談事。適切な治療を受ければちゃんとよくなります。気になったら、気軽に受診してくださいね。
参考文献
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よくある質問
- Q. 細菌性膣症はうつりますか?
- 細菌性膣症は性感染症ではありませんが、性行為がきっかけで膣内環境が変化し、発症リスクが高まることはあります。パートナーの治療は基本的に不要です。
- Q. 細菌性膣症とカンジダ膣炎の違いは?
- 細菌性膣症は乳酸菌が減って雑菌が増える状態で、魚臭いサラッとしたおりものが特徴です。カンジダ膣炎はカンジダ菌(真菌)が増殖する感染症で、白くポロポロしたおりものと強いかゆみが特徴です。治療薬も異なります。
- Q. 細菌性膣症を放置するとどうなりますか?
- 自然に治ることもありますが、放置すると骨盤内感染症のリスクが高まったり、妊娠中は早産や前期破水のリスクが上がるとされています。症状がある場合は婦人科を受診しましょう。
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この記事を書いた人
白滝由紀フェムケア研究所 編集長
🏅 日本フェムテック協会認定フェムテックアンバサダー
フェムケア領域の情報発信に携わるライター(29歳女性)。女性の健康課題について、信頼できるエビデンスに基づいた情報をわかりやすく届けることを目指しています!


