子宮筋腫とは?症状・治療法・日常生活での付き合い方
「生理の量が増えた気がする」「最近、お腹がなんとなく張る」——そんなモヤモヤを抱えながら、忙しさに追われて婦人科に行けていない。そんな方、意外と多いのではないでしょうか。
実は、成人女性の4人に1人は子宮筋腫を持っていると言われています。検診で見つかったばかりで不安な方も、「経過観察」と言われて様子を見ている方も、まずは基本を知っておくことが大切です。
子宮筋腫って、どんなもの?
子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍。「腫瘍」と聞くとドキッとするかもしれませんが、がんではありません。女性ホルモンの影響で大きくなったり、数が増えたりすることがあります。
大きさも数もさまざまで、数ミリの小さなものから、10センチを超えるものまで。複数個できる人もいれば、ひとつだけの人もいます。
筋腫は「できる場所」で3タイプに分かれる
筋腫ができる場所によって、症状や治療の選択肢が変わってきます。
筋層内筋腫
子宮の筋肉の中にできるタイプ。いちばん多い。大きくなると子宮全体が大きくなり、生理痛がひどくなることも。
粘膜下筋腫
子宮の内側(子宮腔)に飛び出すタイプ。小さくても出血が多くなりやすく、貧血の原因になることがある。妊娠にも影響しやすい。
漿膜下筋腫
子宮の外側に向かって育つタイプ。症状が出にくく、健診で偶然見つかることも多い。ただし大きくなると周りの臓器を圧迫することがある。
どんな症状が出るの?
筋腫があっても、半分くらいの人は無症状。「筋腫がある=必ず困る」わけではありません。
ただ、こんな症状が出ることがあります。
- 生理の量が増える、日数が長くなる(特に粘膜下筋腫)
- 生理痛がひどくなる
- 貧血でフラフラする、疲れやすい
- 下腹部がぽっこり出てくる
- 頻尿、便秘(筋腫が膀胱や腸を圧迫)
- 腰痛、下腹部の違和感
貧血は気づきにくいので要注意。「最近なんか疲れやすいな」と思ったら、念のため血液検査を受けてみるのもいいかもしれません。
治療の選択肢は、大きく3つ
筋腫が見つかったとき、「すぐ手術?」と焦る方もいるかもしれませんが、治療法は症状や年齢、今後の妊娠希望によって選べます。
1. 経過観察
症状がない、もしくは軽い場合は、定期的にエコーで大きさをチェックしながら様子を見ます。閉経後は女性ホルモンが減るので、筋腫が小さくなることも。
「何もしない」と聞くと不安になるかもしれませんが、無症状なら急いで治療する必要はありません。半年〜1年に1回の検診を忘れずに。
2. 薬物療法
症状を和らげるための薬がいくつかあります。
- 鎮痛剤:生理痛がつらいときに
- 低用量ピル、黄体ホルモン剤:出血を抑える
- GnRHアゴニスト製剤:一時的に閉経のような状態にして筋腫を小さくする(手術前の準備や、閉経までのつなぎで使うことが多い)
ただし、薬では筋腫そのものを消すことはできません。症状のコントロールが目的です。
3. 手術
症状が強い、貧血がひどい、妊娠への影響が心配、といった場合に選択肢に入ってきます。
筋腫核出術
筋腫だけを取り除く方法。子宮は残るので、妊娠を希望する人に。開腹、腹腔鏡、子宮鏡など、筋腫の位置や大きさで術式が変わります。
子宮全摘術
子宮をすべて取る方法。今後妊娠を希望しない、症状が強い、筋腫が多発している場合など。生理がなくなるので、生理痛や出血の悩みから完全に解放されます。
子宮動脈塞栓術(UAE)、集束超音波治療(FUS)
切らない治療法もあります。すべての人に向くわけではないので、医師とよく相談を。
日常生活で気をつけることは?
正直、「これをすれば筋腫が小さくなる」という魔法はありません。でも、症状を悪化させないための工夫はあります。
貧血対策をしっかり
生理の量が多い人は、鉄分を意識して摂りましょう。レバー、ほうれん草、ひじき、赤身の肉など。サプリも上手に使って。
冷やさない
血行が悪くなると生理痛がひどくなることも。夏場でもシャワーだけじゃなく、たまには湯船に浸かる。腹巻やカイロもおすすめ。
ストレスを溜めすぎない
ストレスでホルモンバランスが乱れると、症状が強く出ることがあります。完璧を目指さず、ゆるく。
定期検診を忘れずに
症状がなくても、筋腫が急に大きくなることがあります。年に1回は婦人科でチェックを。
こんなときは、早めに受診を
- 生理の出血が明らかに増えた
- 貧血でフラフラする、立ちくらみがひどい
- 下腹部にしこりを感じる
- 急にお腹が大きくなった気がする
- 生理痛がどんどんひどくなっている
「まだ大丈夫」と我慢しすぎないこと。貧血がひどくなってからだと、回復にも時間がかかります。
自分に合った付き合い方を見つける
子宮筋腫は、人によって症状も大きさも、生活への影響もバラバラ。だから、「これが正解」という治療法はありません。
今すぐ治療が必要な人もいれば、定期的にチェックしながら閉経を待つ人もいる。手術を選ぶ人もいれば、薬でコントロールする人もいる。どれも「あり」です。
大事なのは、今の自分にとって何がいちばん楽か、どんな選択肢があるかを知っておくこと。そして、信頼できる婦人科医と相談しながら、自分のペースで付き合っていくことだと思います。
気になることがあったら、ひとりで抱え込まずに、まずは婦人科で相談してみてくださいね。
※この記事は医学的アドバイスではありません。症状が気になる場合や治療について詳しく知りたい場合は、婦人科を受診してください。